2011年7月11日 金融経済新聞 「喜怒哀楽」

青少年の健全育成に金銭教育を

                               マネーじゅく 陣内恭子

 経済環境や就職事情など社会の厳しさや、子どもの健全育成、自立への課題に気づくからでしょう、教師よりも先に保護者が変わってきています。

 四月から七月にかけて、PTA関係の役員・委員の保護者からのお問い合わせが増えます。講演会や親子レクリエーションの講師依頼です。過去、依頼に結びつかない事例で多かったのが「お金の教育を学校でする必要はない」という一部の保護者や教師、特に管理職の教師の声に、企画担当者があきらめ無難なスポーツやゲームにしていたケースです。最近は、学校の予算で足りないのなら個人の負担金が発生してもやりたいという熱心な相談が増えています。

 マネーじゅくで担当する授業や講座では、こづかいをお金の教育の教材にする方法や自分で決める、選ぶ、その結果に責任を持つことの大切さを伝えます。生き方を再考するきかっけになるような話を心がけており、震災後は、募金をはじめ寄付やボランティア活動の意識を高めるワークを入れています。

 マネーじゅくの仲間は全国各地にいます。震災後、東北は被災地、被災者の支援のために動いているので金銭教育どころではないのですが、ほかの地域はほとんど変わりません。募金活動や物品の寄付の動きは保護者主導でした。年度替りの時期だったからでしょうか、教師主導での学校の取り組みは鈍く、お金の教育がしっかり学校教育に入るのは、先のことに感じます。

 七月は内閣府主唱の青少年の非行・被害防止全国強調月間。非行防止の意識を高めるために関係団体が協力し合い、各地で集いなどが行われるようです。ここで掲げられた七つの重点課題にはお金の話は出てきません。事件や問題の多くに金銭が絡んでいるのは周知のとおりで、避けることができない課題なはず。教育という上から目線の机上論より、貯蓄習慣を身につけさせ、我慢する心も育てる必要があり、限られた金額で満足度を高めるやりくり術、消費行動の記録と振り返りなど、生活の中で大人が手本を示すべきだと考えます。 

 お金の教育は、健全育成のために必要不可欠な教育です。また、日本に寄付文化を育てるためにも、今後、金融機関も子どもの日常生活に役立つ視点で、児童生徒が実感できる講座を工夫し、積極的に学校に出前講座を提供していただきたいものです。未来を担う青少年の育成は,日本国民すべてに課せられた責務ですから。