青少年の健全育成に金銭教育を

                               マネーじゅく 陣内恭子

 経済環境や就職事情など社会の厳しさや、子どもの健全育成、自立への課題に気づくからでしょう、教師よりも先に保護者が変わってきています。

 四月から七月にかけて、PTA関係の役員・委員の保護者からのお問い合わせが増えます。講演会や親子レクリエーションの講師依頼です。過去、依頼に結びつかない事例で多かったのが「お金の教育を学校でする必要はない」という一部の保護者や教師、特に管理職の教師の声に、企画担当者があきらめ無難なスポーツやゲームにしていたケースです。最近は、学校の予算で足りないのなら個人の負担金が発生してもやりたいという熱心な相談が増えています。

 マネーじゅくで担当する授業や講座では、こづかいをお金の教育の教材にする方法や自分で決める、選ぶ、その結果に責任を持つことの大切さを伝えます。生き方を再考するきかっけになるような話を心がけており、震災後は、募金をはじめ寄付やボランティア活動の意識を高めるワークを入れています。

 マネーじゅくの仲間は全国各地にいます。震災後、東北は被災地、被災者の支援のために動いているので金銭教育どころではないのですが、ほかの地域はほとんど変わりません。募金活動や物品の寄付の動きは保護者主導でした。年度替りの時期だったからでしょうか、教師主導での学校の取り組みは鈍く、お金の教育がしっかり学校教育に入るのは、先のことに感じます。

 七月は内閣府主唱の青少年の非行・被害防止全国強調月間。非行防止の意識を高めるために関係団体が協力し合い、各地で集いなどが行われるようです。ここで掲げられた七つの重点課題にはお金の話は出てきません。事件や問題の多くに金銭が絡んでいるのは周知のとおりで、避けることができない課題なはず。教育という上から目線の机上論より、貯蓄習慣を身につけさせ、我慢する心も育てる必要があり、限られた金額で満足度を高めるやりくり術、消費行動の記録と振り返りなど、生活の中で大人が手本を示すべきだと考えます。 

 お金の教育は、健全育成のために必要不可欠な教育です。また、日本に寄付文化を育てるためにも、今後、金融機関も子どもの日常生活に役立つ視点で、児童生徒が実感できる講座を工夫し、積極的に学校に出前講座を提供していただきたいものです。未来を担う青少年の育成は,日本国民すべてに課せられた責務ですから。

福祉の心を育てる金銭教育

マネーじゅく代表 陣内恭子 

 3月11日以降、地震の報道を見聞きしながら、誰しも自分に何ができるか考えたことだろう。被害にあわれた方への寄り添い方は募金、寄付、ボランティア活動などさまざまだが、今後の金銭教育活動で「福祉」を正面から扱うテーマの一つとしたいと考えている。

 お金の教育とは金銭管理やお金を増やす教育だけではない。社会に貢献し稼ぎ、得たお金をどのように使うかはその人の生き方そのもの。子どもの頃から必要なものと欲しいものを考えさせたり、福祉の視点、つまり人間が平和で安心して過ごせる生活環境をつくるためにお金を使うことなどもしっかりと教えよう。

 さる2月26日、神戸市の長田郵便局で約50組の親子が参加して「親子金融教室」が開催され、ワークショップの講師を担当した。16年前の震災を体験していない小学生が対象だったので、赤い羽根や年末の助け合いの募金、募金活動などをイメージした「寄付の選択」を入れ込んだ。寄付に関するシミュレーションは、全国どの会場でも、親子は似た選択をする傾向にある。テレビ広告で頻繁に見る宮澤章二氏の『行為の意味』にある「 こころ はだれにも見えないけれど こころづかい は見えるのだ。思いは見えないけれど 思いやりは誰にでも見える。人に対する積極的な行為なのだから・・」今、しっかり人として生きる大人の姿を見せたいものだ。

 平成23年度、新しい学習指導要領がスタートした。小学校の「道徳」には、金銭教育で扱える内容が多い。例えば一、二学年では、物や金銭を大切に、生命を大切にする、約束や決まりを守り物を大切にする、みんなのために働く。三、四学年では、働くことの大切さを知り進んでみんなのために働く。五、六学年は、働くことの意義を理解し、社会に奉仕する喜びを知って公共のために役に立つこと、など。自分自身のことから集団や社会とのかかわりを、学年が進むとともに広く深く学んでいくカリキュラムだ。

 現在は、知識中心の学習に偏りがちな教育だが、さまざまな家庭環境にいる子どもたちがともに学ぶ学校教育の中で、福祉の心を育み、自立できるための生活技術力を鍛えていただきたい。

 私自身は、今後、継続した支援の必要性を伝えるとともに、子どもたちと福祉を柱にした金銭教育プログラムを作り上げたいと考えている。

(2011年4月13日コラムに加筆) 

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コラム中に一部を引用させていただいた【行為の意味】をご紹介

 あなたの「こころ」はどんな形ですか 
と ひとに聞かれても答えようがない 

自分にも他人にも「こころ」は見えない 
けれど ほんとうに見えないのであろうか  

確かに「こころ」はだれにも見えない
けれど「こころづかい」は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから  

同じように胸の中の「思い」は見えない
けれど「思いやり」はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから  

あたたかい心が あたたかい行為になり
やさしい思いが やさしい行為になるとき
「心」も「思い」も初めて美しく生きる
それは 人が人として生きることだ 

宮澤章二(みやざわしょうじ)

西日本リビング新聞社 女性のための生活情報誌 リビング福岡

2011年1月15日号 特集 に代表の陣内が取材協力

  一生モノの金銭感覚を育てよう
  わが家流ルールで 子どもに 「金銭教育」 

 

 

今回、お話をいただいたのは12月はじめ。ちょうど、筑紫野市の小学校での講話が入っており記者の方に聞きにきていただき、まとめてもらっている。

 

代表の陣内は、過去、西日本リビング新聞社さん経由で

フジサンケイ・大和証券グループ Presents Woman Power Project
「女性起業家ビジネスプランコンテスト」で 地域賞 をいただいたことがある。
地域賞ではなく、もっと上だと思い10分のプレゼンに臨んだのでショックで、担当の方から、応援しなくてもできる企画だと思われたんですよ、と慰めてもらったことを記憶している。

そのときのプレゼン企画は、昔のこづかいゲーム教材で全国に300人の仲間を作りたいというものだった。それはかなわず、今はもっと学びやすく使いやすい教材を開発し、新たに仲間を募集しているところ。

マネーじゅくの金銭教育活動には、ボランティアマインドの高い方が集まる傾向にあるため、仕事として成り立たせる意識改革に思う以上に難しさを感じている。
ただ、やっとというか、今年は、仕事としてがんばると宣言してくださった方が増え、楽しみな1年だ。

子どもニュース  お年玉 上手に使える? ゲームで学べる「やり繰り」
一部抜粋
NPO法人マネー・スプラウト(千葉県)代表の羽田野博子さんが考案した「Newおこづかいゲームブック」(アスキー・メディアワークス、1350円)は、状況に応じて両替もできる本格派。
金銭教育総合研究所マネーじゅく(福岡県)の「おうちdeこづかいゲーム」(2940円から)は、おこづかい帳をつけながら、やりくりを競う。
金融広報中央委員会の「知るぽると」ホームページ(http://www.shiruporuto.jp/)でも、予算内でカレーを作る「カレー作りゲーム」を無料公開している。

 「知るぽると」の担当者は「お金の話というと、難しく考えがち。ゲームを通して理屈より楽しく遊ぶことで、正しい金銭感覚がよく身につくようです」と話している。

(2011年1月3日  読売新聞) YOMIURI  ONLINEの記事全文は こちら

 

知るぽると内のおすすめ↓ 「おかねのね」
マネーじゅく代表の陣内も監修者として参加しています。
マネーじゅく岩手の戸田節子さんも執筆者です。

日本テレビ スッキリ!! 

特集の1つが [子ども手当て]

貯金の希望も多い中、子どもに使わせることとして 定額のこづかい制度スタートのきっかけにしてはいかがでしょうか、という内容と、

こづかい制で振り返りをすると買い物上手になるという部分を使っていただきました。

このテレビを見られた方でしょう、8時台、9時台には多くの方にこのサイトに来ていただきました。参考になる内容はありましたでしょうか。子どものお金の教育を、ぜひ子育てに取り入れてください。

  朝日小学生新聞 へのリンク → 朝日おかあさん新聞 (2010年5月20日付)

   こどもアサヒ>記事一覧(朝日小学生新聞)>朝日おかさあさん新聞

  東京の大即富士子さんが取材を受けています。

  ワークショップ「親子でこづかいゲーム」と 

   「何からはじめる?お金の教育」の記事は、よくまとまっています。

  ぜひ、サイトでお読みください。

  2010年3月1日〜6日配布の

  共同購入チラシにコラム「早くからはじめたいお金の教育」を

  書きました。

  絵本の紹介「」からすのパンやさん、「ペレのあたらしいふく」

  どちらもお金は出てきませんが、労働、勤労、協力、協働・・・

                 いろいろ学べます。

ほか、 マネーじゅくのオリジナル冊子やこづかい帳を扱っていただいています。

NHK総合 おはよう日本 どう使うお年玉 注目集める金銭教育

 2009年12月19日(土) 新宿伊勢丹横のフィナンシェルジュプラザさんのご協力を頂き、

 当日開催のこづかいゲームワークショップを取材してもらっていました。

   関連日記 こちら      亀岡 酒井さんのサイト

 ほか、徳島県で行われた金銭教育の研究会、早稲田大学の先生の話があっていました。

 すべての子どもたちにお金の教育が早く始めてもらえるよう

 保護者に提案。

 こづかいゲームを使い、定額のこづかいで身につけさせたい

 お金とのかかわり方など、保護者に体験してもらいました。

 家計管理と算数のセンス 

   金銭教育総合研究所 マネーじゅく 代表 陣内恭子

 二〇〇八年と二〇〇九年の大きな違いが、講演会の依頼の内容に現れています。「家計簿」を前面に出した講演テーマに主婦が集まってくれるのです。節約のために、続かない家計簿をどうにかしたい、家計管理を学びたい、何かしらお得な情報がほしい、そんな参加者の気持ちが見えてきます。昨年前半はここまで意識は高くはありませんでした。

 簿記の講師がこんなことを書いておられました。「簿記でつまずく人の六割くらいは、算数の力が弱い。」数学ではありません、小学生レベルの算数です。これ、家計管理に当てはめると、なるほどと思うところがあるのです。

 昨年、ある団体向けにオリジナル家計簿を作りました。グループで見せ合ってもいいように、収入と支出をきれいに分けたレフィル式家計簿です。使い終わった通帳の口座振替と現金支出の一覧表作成から家計を推察する方法をとります。実生活が数字で見えるので、眺めるだけで次年度の予測ができます。家計のスリム化を図る必要があり、対策を考えたいと思ったときは、数カ月でも家計簿の記帳があれば役立ちます。対策は、自分で気づくのが一番。残念なのは、数字が並んでいても特徴に気づかないケースが多いことです。

 講演会や勉強会などで話を聞いて役に立ったと思う人でも、ほとんどの場合、行動は変わっていないように感じます。それを何とかしたいと、こんな問いかけをします。「ワークシェアリングで、皆さんの家計に入る所得が三分の二になったらどうやりくりをしますか?」生き方を土台から考え直さなくてはならなくなっても「○○がないと困る」から「ない生活でも家計が成り立つ方法は?」という発想の転換は難しいものです。

 個別相談に応じて多くの事例を見て分かるのは、生命保険や損害保険、各種金融商品のリスクを含め、一度でも未来の生活をシミュレーションしている人は、もしもの場合に次の動きに移るのが早いようです。生活を客観的に数字で見る力や数字から未来を推測できるセンスは、算数力と関係があります。いろいろな想定ができ、生活と数字が常に頭の中でつながる、数字で生活を考える習慣が家計管理の決め手。数字に強い男性がもっと家計管理に参加し役割分担をすることもまた家計管理がうまくいくコツかもしれません。

お年玉で養う金銭感覚

産経新聞 生活 記事はこちら

子どもたちに判断させる

記事の写真は子どもたちとワークショップをしているところです。必ず保護者にアドバイスはなしで見守ってもらいます。

利息、税金、銀行・・・社会の実戦教育に

実際に、子どもたちに金融機関の口座開設をさせて、そこから学ばせるしくみを津kると金銭管理能力を磨きながら貯金をする習慣がついてきます。おすすめです。

不安な保護者用に子どもと実践するワークブック親子で挑戦!はじめての金融お金をためるこづかいノートを制作しています。

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マネーじゅくは、お金に関する生涯学習プログラムを提供し 社会貢献を目指す社会起業家の集まりです。わたしたちは、個々人の特性を生かしながらオリジナル教材を使い、地域に合わせたお金の教育活動をおこなっています。

生きる力 を お金、経済の視点からアプローチ。幼児期の子どもたちから大人まで広く奥の深い「お金の教育」を研究、提案、実践しています。

「金銭管理教育」「金融経済教育」「消費者教育」「キャリア教育」「特別支援教育」「家計管理」などの分野をプロデュースしたコンテンツを持ちます。
得意なことは学習ゲームを教材にしたワークショップ。
オリジナルプログラムは各方面から評価をいただいています。