あなたならどうする?と考えさせる L・ジャフェ、L・サン=マルク作 は、フランスの教育出版社の子どものための生活ガイド の翻訳版。

お金とじょうずにつきあう本
はじめに、
「最新のゲームソフトがどうしてもほしい」
「おけいこごとをはじめたい」の投げかけに、
3つのよくありそうな行動パターンが書かれています。
そして、よく考えてページを開きましょう!とも。
私はこの本の解説で述べられています、この部分がとても気にいています。
「子どもだからといって安易な言葉に逃げず、社会の現実をきちんと伝えることが、今、日本でも必要なのではないでしょうか」
どうですか?子育てにおいて逃げてはいけないことがたくさんあるのですよね。
少し内容を説明しますと、 話が3つ入っています。
1つは「ほしい」って何?「必要」って何?と、子どもがわかる事例を通し、順序だてて明快な説明があります。
消費欲が蔓延しているような現代社会で、生きるのに必要なもの、あると便利なもの、欲しいと思っていてもぜいたくなもの、など大人も2つの言葉を整理するのに役立つ内容です。
2つ目は、何でも手に入るのか?という投げかけです。
昔は手作りが多かったですが、現代社会では自分に必要なものを全て自分で作る人はほとんどいなくなりました。
今の社会ではほとんどのものをお金と交換して得ることができると、説明があります。そのとおりですが、お金の役割や現実の問題等を教えてくれる内容です。
「なぜ、お金が必要になったの?」 「どうすればお金が手にはいるの?」「誰でもお金を持っているの?」「不公平をどうしたらいいの?」という質問に、うまく答えられないわ、という時には、大いに活用できる本です。
3つ目は「価値」について。
価値観は大きく違っています。だから集団で金銭教育を行うのが難しいのです。
せめて、自分の子どもに、親として、自分の思う価値あることを伝えていけるようになりたいものです。
その前に私たち親が考える時間を作り、自分の考えを持つことが大切なんですね。
それぞれが、「おはなし」「調べてみよう」「やってみよう」の3つのステップで理解でき、子どもが自分の経験とあわせて理解していきそうなガイドブックです。
親にもぜひ一緒に読んでもらいたい本です。
読売新聞2002年11月第3週に掲載したものに加筆修正しました